オックスフォード大学で動物学を学んだ、マッキノン氏は、国際舞台で、長きに渡り自然保護を擁護 してきた。世界で最も美しく生物多様性に富んだ地域の保護と管理に努め、人類にとって差し迫った 課題である、気候変動、防災・減災、健康と福祉、持続可能な発展に取り組んできた。
マッキノン氏は、主に3つの分野において貢献し、多大な影響力を与えてきたことが、みどり賞受賞 に値する。まずは、フィールド生物学者として、10 年間インドネシアにて、熱帯生態学研究、保護区 の計画と管理に従事した。その結果、複雑で、豊かな生物多様性を有するインドネシアにおける生態 学の、世界的な専門家の一人として認められている。
2 つ目は、主席生物多様性専門家として世界銀行のプロジェクトに携わったことだ。16 年間の世界銀行 でのキャリアで、知識、熱意、ネットワークスキルを生かし、生物多様性保全と自然資源管理を強化 するための数多くのプロジェクトに従事した。それは、アフリカ、アジア、中南米、東ヨーロッパ、 そして旧ソ連地域での活動に渡る。保護区の援助、または、開発プログラムにおける、生物多様性保 全の主流化、周辺地域での持続可能な生計手段の強化に取り組んだ。これらのプログラムには様々な 政府機関および NGO、さらに、彼女の保護活動から直接的に恩恵を受けた人々も関与している。
3 つ目には、IUCN 世界保護地域委員会(WCPA)における活動が挙げられる。当初は副委員長として、次 に、2015 年に委員長 に選出され、現在に至る。以前よりIUCNやその委員会を熱心に支援してきたが、 2010 年からは、フルタイムのプロボノとして WCPA に関わっている。さらに、多くの個人的資源を、 IUCN が地球規模でのミッションとして掲げている「自然を尊び保全する公正な世界(a just world which values and conserves nature)」のために捧げている。マッキノン氏のリーダーシップの下、 世界保護地域委員会は、世界中の革新的で科学に基づく保全活動の中心となってきている。