第6回 生物多様性日本アワード(2019年)


第6回(2019年)は、グランプリ1組と優秀賞4組が選出されました。

グランプリ

「ヨシでびわ湖を守るネットワーク」によるヨシ刈り

「ヨシでびわ湖を守るネットワーク」によるヨシ刈り

ヨシでびわ湖を守るリエデンプロジェクト

株式会社コクヨ工業滋賀(滋賀県愛知郡)

琵琶湖のヨシ刈りや外来魚駆除などの活動を通じて地域の自然に関わり、その生物多様性の資源保護のために地域と連携した取り組みを行っている。更に、刈り取ったヨシの新たな活用を実現したエコ文具「リエデンシリーズ」を開発し、ビジネスで活かすという企業のCSV事業モデルとなる取り組みである。

優秀賞

お客さま・生産者・従業員が、共に学ぶ「生きもの調査」

お客さま・生産者・従業員が、共に学ぶ「生きもの調査」

生物多様性に配慮した持続的なお米の仕入れ活動

株式会社アレフ(北海道札幌市)

ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を中心としたレストランを展開する企業として、安全で高品質なお米を安定して供給するために、農薬使用を除草剤1回のみに制限した「省農薬米」という独自の基準を設け、契約栽培を行っている。またお客さまや従業員も参加しての「びっくりドンキー田んぼの生きもの調査」など、誰にでも親しみやすい生物多様性の普及活動を行っている。

ブナの周囲長を毎年測定する

ブナの周囲長を毎年測定する

世界遺産白神山地 ブナ林の100年モニタリング

世界遺産白神山地ブナ林モニタリング調査会(宮城県)

1999年から現在に至るまでの白神山地のブナ林を対象としたモニタリング調査を20年間継続して実施。世界遺産に登録され、管理のために科学的な森林状況の把握が必要とされる地域で、研究者、一般市民、学生などの連携により、長期的に自然の変遷を追っていく活動は今後の継続が期待される。

キノコ観察会、みんなで見つけた色とりどりのキノコ

キノコ観察会、みんなで見つけた色とりどりのキノコ

生物多様性の保全と環境教育

認定NPO法人 宍塚の自然と歴史の会(茨城県土浦市)

地域の文化や自然に根ざした生物多様性の保全活動に、1989年の団体設立時から取り組む。特に里山の自然の歴史的文化的側面についての市民調査は先駆性がある。また子どもから大人まで参加できる自然観察会や農業体験会の開催、地域の学校での環境教育の実施、里山の保全活動や農業の実践など、幅広い取り組みを行っている。

学校裏山に巣箱を設置する児童

学校裏山に巣箱を設置する児童

つくろう、野鳥の楽園「バードピア生平」

―愛鳥や里山保全の活動を通した自然との共生を図る児童の育成―

愛知県岡崎市立生平小学校(愛知県岡崎市)

全校62名の小規模な小学校において愛鳥活動を1982年から38年間継続しており、ESD(持続可能な開発のための教育)の最先端の教育・人材育成活動を実践している取り組みである。昨年はデジタル野鳥図鑑を作るなど新しい取り組みもある一方で親子3代このプログラムに参加している人もおり、地域の自然環境やそこに暮らす野鳥が、地域ぐるみの学びの場という大きな価値を創造している。